中国・深セン生まれのオーディオブランド"EarFun"から発売されている、超コスパ最強のフルワイヤレスイヤホン「EarFun Free 2S」。
本製品はEarFunブランドの中ではミドルスペックに位置しており、Amazonにてセール時4000円台という価格ながら、「aptX対応」「ワイヤレス充電対応」「完全防水 IPX7対応」「専用アプリ対応」など、フラグシップモデルに引けを取らない機能を備えています。
一方で、装着センサー・ノイズキャンセリング・マルチポイントには全て非対応など、制限されている機能もありますが、音質も素晴らしく、価格を抑えながらクオリティーの高い完全ワイヤレスイヤホンを欲しい方におすすめなこの製品をレビューしていきます。
・4000円台とは思えないクオリティーの音質!(低音強め)
・aptX対応で低遅延かつ高音質で接続可能!
・ワイヤレス充電対応で充電の幅が広い!
・装着センサー・ノイズキャンセリング・マルチポイントには全て非対応
EarFun Free 2Sを観点別に徹底レビュー!
音質:低音強めで満足できる素晴らしい音質も解像度は高くない印象
本製品は価格はかなり抑えめながら、フラグシップ級のイヤホンと比べても申し分のない、低音強めな迫力あるサウンドを出してくれます。
低音強めとはいえ、全体的にバランスが取れた音のつくりとなっており、聞いていて違和感を覚えることもありません。低音部分のみでなく、ボーカルも程よく強調されているので、どのジャンルを聞いても安定感のある音質だという印象を受けます。
どのジャンルでも楽しむことのできるサウンドですが、特にEDMやK-POPとは相性が良いでしょう。低音が強調された中で感じるシンセサイザーの音は、かなり心地よいです。
しかし、音の解像度についてはあまり高くない印象です。フラグシップ級フルワイヤレスイヤホンの「HUAWEI FreeBuds Pro」なんかと比べると音の明瞭度や透明性は少し劣っているように感じます。
細かい楽器の音が聞きづらかったり、全体的にややかすみがかかっている印象を受けたりしますが、ワイヤレスイヤホンの仕様上やむを得ないことであり、これが大きなウィークポイントにはなりえないと感じます。
この価格でフラグシップ級と音質面で張り合えている、良い勝負が出来ていることが素晴らしいです!
全体的な印象としては、「低価格だから音質は悪い」という定石を打ち破った、素晴らしいクオリティーの音質となっています。
接続関係:aptX対応+ゲームモードで音質を保ちつつ遅延も最小限に
aptXに対応し、安定性にも優れた接続
本製品はAACに加えて、aptXにも対応しているので、Androidをはじめとする対応機器ならば高音質かつ低遅延で接続することが出来ます。
aptXに対応していると、体感でかなり差を感じるほどに音質が向上し、遅延も低下するのでかなり嬉しい仕様です。この価格帯でaptXに対応している製品はまずないので、大きな恩恵を受けられるこの機能に対応していることには大きな価値があると感じます。
※iPhoneの場合でも、AACに対応しているので他製品と変わらない品質で接続することが可能です。
接続の安定性についても全く問題ありません。多くの電波が飛び交う電車の中で利用しても、音が途切れたり、音質が低下したりすることは一度もありませんし、接続面で不安を覚えたことはありません。
日常的な使用では、接続面にストレスを感じることはまずないでしょう。
また、後述する専用アプリを通して適用できるゲームモードを利用すると、音質の劣化なしに超低遅延(60ms)になります。ゲームプレイ時はもちろん、動画や映画を視聴したいときにも使えるかなりありがたい機能です。
ペアリングの仕様
ケースの蓋を開けると、自動的にペアリングを行う仕様となっています。
ミドルスペックのワイヤレスイヤホンでは、ケースから取り外さないと、ペアリングが行われない仕様のものが多いですが、本製品はフラグシップ同様にケースの蓋を開けた時点で携帯と繋がってくれるので無駄な待ち時間が減り、便利です。
また、本製品はQualcomm TrueWireless Mirroringにより、片耳での接続、両耳での接続両方に対応しています。今の時代、この機能はもはや搭載していて当たり前となっているので、特筆すべきことではないかもしれませんが、特別な設定なく、両接続方式をシームレスに行き来することが出来るのはもちろん便利です。片耳をイヤホンにしまっても、音楽を途切れることなく楽しむことができます。
専用アプリ対応でイコライザー等の設定が可能!
本製品はEarFun製品の専用アプリ「EarFun Audio」に対応しています。なお、アプリはiOS, Andorid共に対応しています。
アプリの機能はかなりシンプルでできることは「ゲームモードの設定」「操作アクションの変更」「イコライザーの設定」等と限られていますが、イコライザーで自分好みの音質に変更することが出来るのはかなり嬉しい機能です。
イコライザーの設定は、下の画像のように、「低音ブースト」「高音ブースト」「低音を弱める」「高音を弱める」の4つのプリセットに加えて、6つの周波数帯ごとに自分好みの設定にすることが出来ます。
用意されているプリセットはやや雑な設定という印象を受けるので、インターネットでオススメのイコライザー設定を検索するなどして、自分好みのものにすることがおススメです。
私はどのジャンルの音も最高級に楽しむことが出来ると評されている最高なイコライザー設定「Eargasm Explosion」をベースに設定しています。
また、本製品はイヤホンの側面部分をタップすることで様々な操作を行うことが出来るのですが、その割り当てもこのアプリを使用して設定することが出来ます。
メディアの再生・停止はもちろんのこと、曲送り・曲戻しや音量調整、ゲームモード切り替えなどもイヤホンから操作することが出来ます。「1タップ」「2タップ」「3タップ」「長押し」と4種類の操作に割り当てられるため、多種多様に自分好みにカスタマイズできます。
しかし、詳しくは後述しますが、「1タップ」については誤作動が生じる原因となるので、私は無効としています。デフォルトでは音量調整が割り当たっているため、このアプリがなければ無効とすることも出来ずに大きく使用感を損ねることへとつながりかねなかったため、アプリで割り当てを設定できるという機能の意義は大きいです。
装着感:負担を全く感じない軽量設計、形状もピッタリ
コンパクトで軽量設計であるため、付けていて全く負担は感じません。また、形状についてもカナル型といえど、ストレスを感じるほどの圧迫感があるわけではありません。
本当にイヤホン自体が軽い(片耳4.5g)ので、付けているのを忘れてしまうほどに快適です。
海外製のイヤホンだと、その形状が日本人に合わずに長時間つけていると痛くなったり、負担に感じたりすることも稀ではありませんが、本製品の形状は全く問題ありません。
フィット感にも優れているので、2週間ほど利用する中でイヤホンが外れそうだと不安に感じたこともありませんでした。個人差はあると思いますが、歩いているときはもちろんのこと、やや激しい運動をしても簡単に外れてしまうというような設計ではありません。
機能性:良い意味で価格に見合わない圧倒的多機能
このワイヤレスイヤホンの最も特筆すべき特徴は「その機能性の高さ」にあります!
「aptX対応」「ワイヤレス充電対応」「完全防水 IPX7対応」「専用アプリ対応」など、4000円台とは思えないほどのたくさんの高機能が揃っています。正直、この機能性の高さに私はかなり驚きましたし、この点が私が購入した動機にもなりました。
ワイヤレス充電+急速充電に対応
ワイヤレス充電対応は、置くだけで充電ができるようになるほか、ワイヤレスリバースチャージ機能対応スマートフォンと合わせることで外出中でも容易に充電ができるようになるのでかなり便利です。
フルワイヤレスイヤホンは充電を忘れてしまうことがかなり多いので、置いておくだけで充電ができるようになることによって得られる恩恵はかなり大きいです。「ケーブルを差す」という一つの動作を排除して充電できるだけで、本当にストレスフリーになります。
実際に私は、有線でイヤホンは充電しませんし、ワイヤレス充電に対応か否かはフルワイヤレスイヤホンを選ぶ際の一つの大きな基準となっています。
また、本製品は急速充電にも対応しており、10分の充電で2時間の音楽再生が可能です。
朝に出勤 / 出発する直前にイヤホンが充電されていないときにも、わずか10分である程度使用できる分には充電することが出来るので、あると助かる機能です。
最高級の防水規格、IPX7に対応
本製品は、最高級の防水規格であるIPX7にも対応しています。
運動中に汗を流しても心配なく使用できることに加えて、推奨はされませんが、お風呂での使用にも耐えることが出来るスペックです。
フラグシップイヤホンでも、防水規格が搭載されていないものも数多くあるため、この価格帯で最高級の防水性能を備えていることは魅力的です。
防水性能は人によってニーズに差はありますが、あるに越したことがありませんからね!
装着センサー・ノイズキャンセリング・マルチポイントは非対応
このように機能性の高さに優れている本製品ですが、装着センサー・ノイズキャンセリング・マルチポイントには対応していません。
4000円台のイヤホンに求める機能でないことは確かで、これらの機能を積んでいる他社のイヤホンは20000円級のものばかりですから、高望み
デザイン:シンプルで無駄のないデザイン、操作性には難あり
イヤホンのデザインは丸形の一般的な形状でシンプルなものとなっています。Pixel Budsにも似た形状です。
ケースを含めて、とてもコンパクトなので持ち運びに便利だと感じます。
しかし、イヤホンのロゴ部分に搭載されている、静電容量式タッチセンサーはイヤホンを着脱する際にも必ず反応してしまいます。また、イヤホンの着け心地を調整するために少しイヤホンに触っただけでも反応してしまうので、誤作動が生じる一つの原因となってしまいます。
専用アプリを用いた設定で無効に出来るので問題ありませんが、ここは一つの欠陥ポイントだと感じます。
付属品
- イヤホン本体
- 充電ケース
- USB-Cケーブル
- イヤーチップ(2種類)
- ユーザーマニュアル
- その他冊子類
EarFun Free 2S の スペック / 基本性能
イヤホン形状 | カナル型 |
ドライバー | 7mm 複合振動板 |
接続方式 | Bluetooth 5.2 |
対応コーデック | SBC / AAC / aptX |
Bluetooth SOC | Qualcomm QCC3040 |
最大通信距離 | 15m |
遅延 | ゲームモード利用で 60ms |
ソフトウェア | 対応(EarFun Audio アプリ) |
電池持続時間 | イヤホン単体:約7時間 ケース込み:約30時間 |
充電方式 | USB Type-C / ワイヤレス充電(qi) |
防水 | IPX7 |
装着検知 | × |
ノイズキャンセリング | × |
外音取り込み | × |
マルチポイント | × |
重量 | イヤホン片耳:約4.5g ケース込み:約45g |
良い点まとめ:低音重視で音質も良いのに多機能!
- 満足できる優れた音質!
- aptX対応で高音質かつ低遅延で接続可能
- 低遅延モードでゲームも動画も楽しめる
- 専用アプリでカスタマイズが可能
- 付けているのを忘れてしまうほどに快適
- ワイヤレス充電+急速充電に対応
- 防水規格、IPX7に対応
悪い点まとめ:マルチポイント・ノイズキャンセリングに非対応
- 音の解像度は高くない
- 誤作動が生じる原因となる「1タップ」の操作
- 装着センサー・ノイズキャンセリング・マルチポイントは非対応
まとめ:
このような「EarFun Free 2S」ですが、まとめると「低価格で高品質なフルワイヤレスイヤホンが欲しい人」「ワイヤレス充電に対応したイヤホンが欲しい人」「aptXに対応したイヤホンが欲しい人」には最適な選択肢になることと思います。
4000円台とは思えないクオリティーの高さの音質・品質であることに加えて、機能性の高さも素晴らしいイヤホンとなっています。
「aptX対応」「ワイヤレス充電対応」「完全防水 IPX7対応」「専用アプリ対応」と、まさに「超多機能なコスパに優れたフルワイヤレスイヤホン」だといえるでしょう。